潰瘍性大腸炎と「サラゾピリン」(サラゾスルファピリジン)

潰瘍性大腸炎とサラゾピリン

●商品名:サラゾピリン
★サラゾスルファピリジン(SASP)

 

日本で使われている、アミノサリチル酸製剤(5ASA製剤)のうちの1つです。

 

炎症性腸疾患では、アミノサリチル酸製剤が薬物療法の基本薬です。

 

活動期にある腸粘膜の炎症をおさえ、緩解状態へと導く薬として
軽症から中等度の患者さんに使われます。

 

再発を防ぐ効果もあるので、緩解期にある患者さんの状態を安定させる
維持療法の薬として使われています。

 

サラゾピリンは、経口で服用しても、胃や小腸では吸収されず、
大腸まで到達し、腸内細菌によってスルファピリジン(SP)と5アミノサリチル酸(5ASA)に分解されます。

 

SPは大腸から吸収されますが、5アミノサリチル酸(5ASA)はほとんど大腸からも吸収されず、
炎症の起こっている粘膜に対して直接効果を発揮します。

 

座薬を使う方で、尿や便の色が黄色になって驚く方も多いようですが、薬の色からくるもので問題ありません。
心配なら、お医者さまにご相談ください。

 

 

★サラゾピリンには、経口薬と座薬とがあり、
直腸に病変がある場合には、座薬と経口薬を並行して使います。

 

 

【組成】

有効成分 日局サラゾスルファピリジン 500 mg
添加物

軽質無水ケイ酸
ステアリン酸マグネシウム
トウモロコシデンプン
ポビドン

 

【効能・効果】
潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、非特異性大腸炎

 

【用法・用量】
通常1日4〜8錠(2〜4g)を4〜6回に分服する。

 

症状により初回毎日16錠(8g)を用いても差しつかえない。
この場合3週間を過ぎれば次第に減量し、1日3〜4錠(1.5〜2g)を用いる。

 

ステロイド療法を長期間継続した症例については、サラゾピリン4錠(2g)を併用しながら、徐々にステロイドを減量することが必要である。

 

【使用上の注意】

 

【慎重投与】(慎重に投与する人)

 

血液障害のある患者  
肝障害のある患者  
腎障害のある患者  
気管支喘息のある患者 急性発作が起こるおそれがある。
急性間歇性ポルフィリン症の患者 急性発作が起こるおそれがある
グルコース- 6 -リン酸脱水素酵素(G- 6 -PD)欠乏患者 溶血が起こるおそれがある
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、授乳婦

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
(サラゾピリンの動物実験では催奇形作用は認められていないが、他のサルファ剤(スルファメトピラジン等)では催奇形作用が認められている。

 

また、本剤の代謝物の胎盤通過により、新生児に高ビリルビン血症を起こすことがある。)

 

授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。(母乳中に移行し、乳児に血便又は血性下痢があらわれたとの報告がある。)

小児等

新生児、低出生体重児には投与しないこと。
[高ビリルビン血症を起こすことがある。]B

 

乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

 

【相互作用】(併用に注意すること)

 

スルホニルアミド系経口糖尿病用剤スルホニルウレア系経口糖尿病用剤 低血糖を発症するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意すること。代謝抑制又は蛋白結合の置換により、作用が増強される。
クマリン系抗凝血剤 クマリン系抗凝血剤の血中濃度が上昇し、プロトロンビン時間が延長するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意すること。クマリン系抗凝血剤の代謝が抑制される。
葉酸 葉酸の吸収が低下し、大赤血球症、汎血球減少を来す、葉酸欠乏症を起こすおそれがあるので、葉酸欠乏症が疑われる場合は、葉酸を補給すること
ジゴキシン ジゴキシンの吸収が低下するおそれがある

アザチオプリン(イムラン)
メルカプトプリン(ロイケイン)

白血球減少等の骨髄抑制があらわれるおそれがある。

 

サラゾピリンは、アザチオプリン&メルカプトプリンの代謝酵素である、
チオプリンメチルトランスフェラーゼを阻害するとの報告がある。

 

【.副作用】

 

副作用は、サラゾピリンを服用した患者さんの5〜10%にあらわれるとされています。

 

服用を中止すると、3ヶ月ほどで正常な状態に戻るとされています。

 

サラゾピリン錠は、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していません。
サラゾピリン座剤は、調査症例数809例中、副作用発現症例は43例(5.32%)であり、副作用発現件数は延べ64件です。

 

その主なものは、肛門疼痛11件(1.36%)、疼痛性排便切迫7件(0.87%)、肛門不快感6件(0.74%)、腹痛5件(0.62%)、発疹4件(0.49%)等です。(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)

 

 

血液に関する副作用 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、貧血(溶血性貧血、巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等)、播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚に関する副作用 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症型薬疹があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
過敏症症候群(頻度不明)、伝染性単核球症様症状(頻度不明) 過敏症症候群、伝染性単核球症様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、次のような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。初期症状として発疹、発熱、感冒様症状がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、肝腫、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う重篤な過敏症状が遅発性にあらわれることがある。
間質性肺炎(頻度不明)、

薬剤性肺炎(頻度不明)、
PIE症候群(頻度不明)、
線維性肺胞炎(頻度不明)

間質性肺炎、薬剤性肺炎、PIE症候群、線維性肺胞炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、喀痰、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線検査、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全(頻度不明)、

ネフローゼ症候群(頻度不明)、
間質性腎炎(頻度不明)

急性腎不全、ネフローゼ症候群、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍(出血、穿孔を伴うことがある)(頻度不明)、

S状結腸穿孔(頻度不明):

消化性潰瘍(出血、穿孔を伴うことがある)、S状結腸穿孔があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳症(頻度不明) 脳症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、意識障害、痙攣等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無菌性髄膜(脳)炎(頻度不明) 無菌性髄膜(脳)炎(頸部(項部)硬直、発熱、頭痛、悪心、嘔吐あるいは意識混濁等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心膜炎(頻度不明)、

胸膜炎(頻度不明)

心膜炎、胸膜炎があらわれることがあるので、呼吸困難、胸部痛、胸水等があらわれた場合には投与を中止し、速やかに心電図検査、胸部X線検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
SLE様症状(頻度不明) SLE様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎(頻度不明)、

肝炎(頻度不明)、
肝機能障害(頻度不明)、
黄疸(頻度不明)

AST(GOT)、ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがある。また、肝不全、劇症肝炎に至るおそれがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー(頻度不明) ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、発疹、血圧低下、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用

血液・・・顆粒球減少、白血球減少、異型リンパ球出現、
免疫グロブリン減少、好酸球増多

 

肝臓・・・AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇

 

腎臓・・・尿路結石、腫脹、浮腫、糖尿、蛋白尿、BUN上昇、血尿

 

皮膚・・・脱毛

 

消化器・・・食欲不振、悪心、嘔吐、腹部膨満感、口内炎、口唇炎、舌炎、腹痛、胃不快感、胸やけ、膵炎、口渇、便秘、下痢、口腔咽頭痛

 

過敏症・・・発疹、そう痒感、光線過敏症、血清病、紅斑、顔面潮紅、蕁麻疹

 

精神神経系・・・頭痛、末梢神経炎、うとうと状態、めまい、耳鳴、抑うつ

 

その他・・・精子数及び精子運動性の可逆的な減少、倦怠感、胸痛、筋肉痛、関節痛、心悸亢進、発熱、味覚異常、嗅覚異常

 

その他には・・動物実験(ラット)で甲状腺腫及び甲状腺機能異常を起こすことが報告されています。