潰瘍性大腸炎の検査

潰瘍性大腸炎の検査

潰瘍性大腸炎 検査

潰瘍性大腸炎の検査には、どんな検査がありますか?

問診、血液検査、便潜血検査、注腸X線検査、大腸内視鏡検査があります。

 

検査の流れとしては、血液検査で栄養障害や貧血が判明し、
内視鏡によって、びらんや潰瘍など特有の病変が認められると、
最終的に病理検査によるチェックで診断が確定されます。

 


潰瘍性大腸炎の問診

問診ではどんなことを聞かれますか?

体調やおなかの痛み、症状についてや、
排便回数や、どのような便か、などについて尋ねられます。

 

海外渡航歴、薬物治療歴も確認されますので、
正直に答えましょう。

 

潰瘍性大腸炎の血液検査

血液検査では、どんな項目を検査するのですか?

血液検査では、炎症の程度や、出血で引き起こされる貧血の度合い、栄養状態などを調べます。

 

炎症の指標として、血沈、CRP、α2グロブリンを測定されます。

 

また、栄養状態のモニターするために、血清総タンパク、アルブミン、ヘモグロビンが測定されます。

 

もう少し詳しく・・

 

【血沈】

 

血沈の検査では、主に炎症をともなう病気の有無や程度がわかりますが、
異常がなくても異常値を示すことがあり、
逆に、明らかに病気であるのに正常値になることもあるため、この検査だけで診断を下すことはできません。
基準値は、男性の場合、1〜10mm(1時間後)
女性の場合、2〜15mm(1時間後)です。

 

異常とみなされるのは男女とも20mm以上です。
軽度の亢進(20〜50mm)で考えられるのは、気管支炎、肺結核初期、貧血などです。

 

中程度(50〜100mm)の場合は、悪性腫瘍、肺炎、肺結核、肝硬変、血友病などが考えられます。

 

100mm以上の高度亢進では、白血病などの血液系統の悪性腫瘍、腹膜炎の疑いがあります。

 

高値の場合に疑われる疾患は、
感染症・・肺炎、結核、気管支炎、梅毒、腎盂腎炎など
心臓病・・心筋梗塞、心内膜炎、心筋炎など
消火器病・・肝炎、胆のう炎、膵炎、潰瘍性大腸炎など
免疫の異常・・全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチなど
血液病・・多発性骨髄腫、白血病、悪性貧血など
がん・・ほとんどの進行中のがん

 

低値の場合
多血症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、低フィブリノゲン血症などです。

 

 

 

【CRP数値】

 

CRPとは、炎症が起こると血清中にあらわれるCRPというタンパク質のことで、健康な人の血中には、ほとんど存在しない物質です。
一般的な基準値の範囲は、0.3以下で、それ以上ですと、体内に炎症があるとみなされます。
CRPの基準値は、0.3以下です。

 

CRP数値の基準値の範囲 単位(mg/ dl)
一般的な基準値の範囲 0.3以下
軽い炎症などが検討される範囲 0.4〜0.9
中程度の炎症などが検討される範囲 1.0〜2.0
中程度以上の炎症などが検討される範囲 2.0〜15.0
重体な疾患の発症の可能性が検討される範囲 15.0〜20.0

 

【α2グロブリン】
α2グロブリンというのは、血液中のタンパク質の種類です。

 

血液中のタンパク質には、100位上の種類がありますが、大きく2つに分けるとアルブミンとグロブリンになります。

 

蛋白分画では、α1、α2、β、γ(ガンマ)の4つのグロブリンとアルブミンの、5種類のタンパクそれぞれの割合を見ていきます。

 

それぞれの正常値=基準値は、

 

アルブミン:60〜65%
α1グロブリン:1.7〜5%
α2グロブリン:6.2〜12.5%
βグロブリン:8.3〜16.3%
γグロブリン:10.7〜20.0%

 

となっています。
α2グロブリンの基準値は、6.2〜12.5%で、この基準値よりも高すぎても低すぎても、何らかの異常が考えられます。

 

α2グロブリンが高い時には、何らかの炎症、がん、自己免疫疾患、ネフローゼ症候群の可能性があり、
低い時には肝障害があると考えられます。

 

【白血球数(WBC)】白球数の異常な増加があれば、炎症があると判断できます。

 

基準値は3,500〜9,000/μLです。

 

高値の場合、肺炎、虫垂炎、扁桃炎、白血病、細菌感染症、外傷、炎症性疾患、妊娠、喫煙などが考えられ、

 

低値の場合、ウイルス感染症(風疹、麻疹)、再生不良性貧血が考えられます。

 

ステロイドの全身投与により高値が出ることがあります。
クロラムフェニコール、甲状腺治療薬(メチルチオウラシル、プロピルチオウラシル、チアマゾール)により、低値が出ることがあります。

 

【赤血球数】
数値が一定以下になると、貧血と診断されます。

 

赤血球数の基準値(電気抵抗法)は、
男性が430〜570万/μl
女性が390〜520万/μl
幼児では600〜700万/μlです。

 

年齢とともに数値は下がり、15歳くらいで成人に近づきます。
女性の場合、生理や妊娠のときに低値になります。

 

運動や喫煙によって高値を示す傾向があります。

 

男女とも1μl(=1mm3)中の赤血球数が300万個以下の場合は、明らかな貧血と診断されます。
逆に貧血ほど多くはありませんが、赤血球の数が増えすぎて600〜800万個になることがあります。

 

これは多血症(赤血球増多症)と呼ばれ、血液が濃くなって流れにくくなり、血管が詰まりやすくなります。

 

【ヘモグロビン量】
ヘモグロビンの量とは、赤血球に含まれる色素の量です。

 

基準値は
男性が13.0〜16.6g/dl
女性が11.4〜14.6g/dl
幼児は低く、15歳くらいで成人と同じになります。

 

妊婦、高齢者は低い傾向にあります。

 

【血清総蛋白(けっせいそうたんぱく)】

 

血清に含まれる蛋白質のことです。
血清総蛋白の基準値は6.7〜8.3g/dL。
高値では、多発性骨髄腫や膠原病、慢性肝炎 、肝硬変
悪性腫瘍、脱水症 などが疑われ、

 

低値ではアルブミンの減少がみられ、肝臓や腎臓の疾患、栄養失調などが疑われます。

 

【血清アルブミン(肝臓で合成されるアルブミンの量) 】

 

アルブミン血液検査は、肝機能や腎機能の働きを確認する指標となります。
アルブミンが低下する原因は、栄養状態だけではなく、
代謝状態、特に炎症や感染症があると低下することが通説となっています。
また、年齢を重ねていくと、減少していくので、老化の指標の一つとも言われています

 

アルブミン(ALB)の基準値の範囲は、 4.10〜5.10(g/ml)です。

 

 

 

 

 

潰瘍性大腸炎の便潜血検査

便潜血検査は、どうやって行うのですか?

検便で行います。

 

できるだけ当日の便を持ってくるようにし、前日の夜のものは、冷蔵庫に入れておきます。
どれくらいの血液が便に混ざっているかを調べるために行います。

 

腸の病変部分からの出血が、便中に含まれているかどうかを調べることと、
細菌培養検査をして、サルモネラ菌や病原性大腸菌などがあるかどうかを調べ、
細菌による感染性腸炎ではないかを確認するために行います。

 

 

潰瘍性大腸炎の注腸X線検査

注腸X線検査とは何ですか?

バリウムと空気を肛門より注入して大腸のX線撮影を行う検査です。

 

病変の部位、分布、炎症の状態などを知るために行います。

 

X線検査が必要になるのは、内視鏡検査と臨床による所見とがくい違っているケースで確認のために行われる場合や、
腸管がせばまっていて内視鏡を入れるのが困難な場合などです。

 

X線検査は、症状の悪化を招くことがあるので、空気でふくらませるなどの前処置を行わないとか、
造影剤(バリウムなど】にステロイド薬をいれるなどの配慮も必要とされます。

 

まず、検査の前日に下剤を服用し、腸の中を空にしておきます。

 

検査直前に、腸の動きを抑えて鮮明な画像を得るため、抗コリン薬を注射します。

 

緑内障、前立腺肥大症、不整脈などがある人は、抗コリン薬で症状が悪化することがあるので、要注意です。

 

ほかの薬では腸の動きを止める効果が弱いので、
緑内障、前立腺肥大症、不整脈の人には、通常、内視鏡での検査が勧められます。

 

検査を行う際には、肛門から、まず造影剤のバリウムを注入し、次いで空気を注入して大腸を膨らませます。

 

体位を変えてバリウムを腸壁全体に行き渡らせ、エックス線撮影を行います。

 

撮影にかかる時間は、15分前後です。検査後には、もう一度下剤を飲んでバリウムの排出をうながします。

 

写真を見ると、健康な腸と潰瘍性大腸炎の腸の違いが良くわかりますね。

 

写真はX線撮影の潰瘍性大腸炎
JIMBOより

 

潰瘍性大腸炎の大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査って何ですか?検査はどうやってするのですか?

大腸の中に、内視鏡を挿入して観察する検査です。
前日の夜9時ごろに下剤を飲み、(飲まない場合もあります)
検査の前には、腸管洗浄液を飲みます。

 

検査当日は、着替えやすい服装で出かけたほうが良いです。

 

検査後の車の運転は禁止です。

 

内視鏡で大腸の粘膜の様子を観察し、炎症、潰瘍、びらん(ただれ)、
粘膜浮腫(むくみ)、分泌物や出血などの状態をよく調べます。

 

必要な場合は、鉗子(かんし)で病変の組織を一部切りとり、病理検査を行います(がんのチェック)。

 

この検査によって、ほかの病気の可能性を除外して診断をつけます。

 

また病期(緩解期か、活動期か)などの診察にも用いられます。

 

検査時間は約30分です。

 

写真は大腸内視鏡検査での潰瘍性大腸炎
JIMBOより