潰瘍性大腸炎と顆粒球吸着療法(GCAP)

潰瘍性大腸炎と顆粒球吸着療法(GCAP)

潰瘍性大腸炎と白血球除去療法(LCAP療法)

顆粒球吸着療法(GCAP)は、炎症性腸疾患に対して行う療法の1つです。

 

顆粒球吸着療法(GCAP)には、炎症の原因となりうる「顆粒球」を選択的に取り除いたり、
機能を変化させることによって炎症を鎮める効果
があります。

 

炎症性腸疾患では、腸に、白血球(特に顆粒球)が集まり、
本来守るべき自分の体の一部である腸を攻撃してしまいます。

 

潰瘍性大腸炎の腸は、白血球(顆粒球)から攻撃を受けるために、
炎症が起こったり、潰瘍が悪化したり、治りが遅くなったりします。

 

ですから、顆粒球(白血球)を取り除くと、炎症を鎮めることができるのです。

 

 

顆粒球とは、白血球の中の血球の1つです。

 

外から入ってきた細菌やウィルスなどから体を守る、生態防御として大切な役割をもった血球です。

 

 

白血球は、大きく、顆粒球とリンパ球,単球の3つに分けられます。

 

顆粒球
写真はこちらから

 

顆粒球は、細菌やウィルスに対して直接攻撃を仕掛け、食い殺す細胞です。

 

顆粒球は、細胞内に細菌などを取り込み、蛋白質を破壊する酵素で細菌を破壊し消化してしまいます

 

顆粒球
写真はこちらより

 

細菌を取り込み、細菌を破壊し、消化し、食い殺してしまうことから、顆粒球は貪食細胞とも呼ばれています。

 

顆粒球には好中球,好酸球,好塩基球の3種類があります。

 

 

好中球

血液中に最も多く存在する、殺菌性特殊顆粒を持つ顆粒球です。

 

白血球全体の6割をしめています。

 

盛んな遊走運動(アメーバ様運動)を行い、主に生体内に侵入してきた細菌や真菌類を貪食(飲み込む事)殺菌を行うことで、感染を防ぐ役割を果たしています。

骨髄で作られ、成熟する細胞です。

 

好中球は炎症性サイトカインや細菌・真菌類の成分に対して反応し、炎症部に集合し、細菌・真菌等の異物の貪食・殺菌・分解を行い生体を防御します。

 

急性炎症の場で、中心的役割を果たしています。

好酸球

好酸球は、寄生虫感染やアレルギー疾患で増加します。

 

好酸球は喘息(ぜんそく)のようなアレルギー反応にも関与しています。

好塩基球

好塩基球は、白血球全体の0.5%をしめています。

 

様々な炎症性反応に関わっていて、特にアレルギー反応を起こすのに重要な役割を果たしています。 例えば、

 

体表面に寄生する寄生虫(外部寄生虫)による感染箇所には、好塩基球が多く存在しており、感染とアレルギー反応の両方に関与しています。

 

好塩基球には、アレルギー反応を起こす物質であるヒスタミンを放出する顆粒があります。

 

アレルギー反応の時には、ヒスタミンが放出されて、アナフィラキシーショック、じんましん、気管支喘息などを引き起こすとされています。

 

顆粒球療法(GCAP)は、保険適用ですか?

顆粒球吸着療法(GCAP)は、2000年4月より潰瘍性大腸炎に対して保険適用となりました。

 

また、2009年1月からはクローン病に対しても保険適用となりました。

 

顆粒球吸着療法(GCAP)は、どのようにして行うのですか?

顆粒球吸着療法(GCAP)は、注射針で血液の一部を体外へ連続的に取り出し、
顆粒球・単球を選択的に除去する医療機器(商品名;アダカラムR)に通します。

 

そして、アダカラムに通した血液を体内に戻します。

 

治療には何分かかりますか?何回行いますか?

血液を循環する時間は、約60分です。

 

潰瘍性大腸炎の治療は、活動期に5〜10回ほど行います。

 

入院が必要ですか?

初回は入院して様子を観察するところも多いようですが、
必ずしも入院は必要ないとされています。

 

患者さんの病状によっては、通院しての治療も可能です。

 

顆粒球吸着療法(GCAP)は、誰でも受けれますか?

いいえ、誰でもというわけではありません。

 

薬物療法で効果が得られにくい場合や、副作用等の理由で薬物を減量したい患者さんが、この療法の適応となります。

 

活動期の潰瘍性大腸炎の重症、激症および難治性の方が保険の対象となります。

 

顆粒球吸着療法(GCAP)に副作用はありますか?

薬物療法と比べ、軽い副作用ですが、副作用はあります。

 

頭痛・嘔気・めまい等、体外循環特有の症状が約3%程度みられました。
いずれも、そのときだけの症状で、軽いものであったそうです。

 

顆粒球吸着療法(GCAP)の治療費はいくらですか?

1回の治療につき143,000円かかります。
一般の患者さんですと、3割負担で42900円です。
指定難病の医療費の助成を受けている方は、特別な負担はありません。

 

治療の効果はありますか?

はい。
顆粒球吸着療法(GCAP)を行うと、下痢や血便、発熱などの症状が改善しています。
内視鏡的にも改善されています。

 

東京山手メディカルセンターの高添副院長によりますと、東京山手メディカルセンターで行われた顆粒球吸着療法(GCAP)での結果は、
「潰瘍性大腸炎患者さん55人中、症状が改善された方が40人(約72.7%)だったということです。

 

また、東京山手メディカルセンターでは、他の白血球系細胞除去療法も導入されているそうですが、治療を受けられた患者さんの数が違っているものの、治療効果があった方は、顆粒球吸着療法が1番多かったようです。(下の図参考)

 

東京山手メディカルセンターにおける潰瘍性大腸炎に対する白血球系細胞除去療法の有効性

顆粒球吸着療法(GCAP) 有効率(%) 72.7% (40/55)
A法 有効率(%)60.0%(12/20)
B法 有効率(%) 66.7%(8/12)

資料参考はこちらのホームページより

 

●白血球除去療法(LCAP療法)について

 

●ATM療法について

 

●AFM療法について

 

●手術について