潰瘍性大腸炎と「サンディミュン」(シクロスポリン)

「サンディミュン」(シクロスポリン)とは

サンディミュン(シクロスポリン)は、ノルウェーの土壌に含まれていた真菌の培養液から発見された免疫抑制剤です。

 

カルシニューリンという酵素を介した細胞内情報伝達を阻害することで,免疫担当細胞の活動を抑制します。

 

体外から入ってきた異物や、体内で生じた物質を、自分のものとは違うと判断し、
自分のものではないと思ったものを排除しようとする防御システムを「免疫」といいます。

 

サンディミュン(シクロスポリン)は、臓器移植などで免疫反応が強すぎたとき,免疫反応を弱める薬です。

 

サンディミュン(シクロスポリン)は既に豊富な臨床経験があり、世界中で使用されている薬です。

 

重症の潰瘍性大腸炎患者さんに対して海外で使用され有効性が確認され、日本でも有効性が報告され一部の施設で使用されています。

 

即効性と治療効果の確実性は高く潰瘍性大腸炎のガイドラインにも重症潰瘍性大腸炎に対して使用可能であることが示されています。

 

潰瘍性大腸炎以外にも、自己免疫疾患の患者(全身型重症筋無力症や乾癬(かんせん)、アトピー性皮膚炎、ネフローゼ症候群など)にも広く使用されています。

 

ネオーラルとサンディミュンの違い

 

サンディミュンとネオーラルは、同じシクロスポリンが主成分の薬ですが、「サンディミュンを改良した薬がネオーラル」です。

 

サンディミュンが腸から吸収されて薬として効果を発揮するためには、肝臓から分泌される胆汁が必要でした。

 

サンディミュンでは、「食べた食事や、その時の胆汁酸の分泌量などによって、薬の吸収量が変わってしまう」という問題点がありました。

 

ネオーラルは、このサンディミュンの問題を解決した薬です。

 

ネオーラルは、シクロスポリンの安定した吸収と効果を実現しました。

 

【サンディミュン(シクロスポリン)の問題点】

 

シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)は腎臓に関する不可逆な(もとに戻らない)障害をもたらす副作用があることが知られています。
(つまり、腎臓が悪くなったら、もとに戻らないと言われているようです。

 

人間の身体は、自然治癒力があるので、絶対にもとに戻らないということはないと信じていますが、もとに戻りにくいのだと思います)

 

長期的・継続的な使用はタブーとされています。

 

 

「サンディミュン」(シクロスポリン)の注意点&副作用などの詳しい情報

シクロスポリン注射液の添付文書より(サンディミュン点滴静注用250ミリ)

 

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

過敏症 サンディミュンの成分に対し、過敏症の既往歴のある患者は使用しないこと
妊婦、妊娠している可能性のある婦人又は授乳婦

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人は使用しないこと。

 

動物実験(ラット)で催奇形作用、また、難産及び周産期死亡が報告されている。

 

サンディミュン投与中は授乳を避けること。
〔母乳中へ移行するとの報告がある。〕

タクロリムス(プログラフ)を服用中の方

タクロリムス(プログラフ)サンディミュンの血中濃度が上昇することがある。

 

また、腎障害等の副作用があらわれやすくなるので併用しないこと。

 

(外用薬の併用は禁忌ではないです)

ピタバスタチン(リバロ)
ロスバスタチン(クレストール)
を服用中の方

リバロやクレストールの血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。

 

また、横紋筋融解症等の重篤な副作用が発現するおそれがある。サンディミュンにより、ピタバスタチンやロスバスタチンの血漿中の濃度が上昇(ピタバスタチン:Cmax6.6倍、 AUC4.6倍、ロスバスタチン:Cmax 10.6倍、AUC7.1倍)する。

ボセンタン(トラクリア)を
服用中の方

ボセンタンの血中濃度が急激に上昇したとの報告があり、副作用が発現するおそれがある。また、サンディミュンの血中濃度が約50%低下したとの報告がある。

アリスキレン(ラジレス)を
服用中の方

アリスキレンの血中濃度が上昇するおそれがある。

 

空腹時の併用投与によりアリスキレンのCmaxが約2.5倍、AUCが約5倍に上昇した。

アスナプレビル(スンベプラ)服用中の方 アスナプレビルの治療効果が減少するおそれがある。

バニプレビル(バニヘップ)
服用中の方

バニプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある

 

【使用上の注意】
【慎重投与】(次の患者には慎重に投与すること)

アレルギー体質 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を持つ患者
薬物過敏症 薬物過敏症の既往歴のある患者
腎機能障害のある患者 腎機能が悪化するおそれがある。
肝機能障害のある患者 肝機能が悪化し、本剤の代謝あるいは胆汁中への排泄が遅延するおそれがある。
膵機能障害のある患者 膵機能が悪化するおそれがある
高血圧症の患者 血圧の上昇及び症状の悪化が報告されている。
感染症のある患者 免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある。
悪性腫瘍又はその既往歴のある患者 免疫抑制により進行又は再発するおそれがある。
高齢者 高齢者では一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

低出生体重児、
新生児又は乳児

低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)ので、適応患者の選択を慎重に行い、投与する際には患者の状態を十分に観察すること。

 

【重要な基本的注意】

●腎・肝・膵機能障害等の副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血球数算定、クレアチニン、BUN、ビリルビン、AST(GOT)、ALT(GPT)、アミラーゼ、尿検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。

 

●感染症の発現又は増悪に十分注意すること。

 

●免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。

 

また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。

 

●他の免疫抑制剤と併用する場合は、過度の免疫抑制により感染に対する感受性の上昇、悪性リンパ腫発生の可能性があるので、十分注意すること。

 

●本剤の投与により副腎皮質ホルモン剤維持量の減量が可能であるが、副腎皮質ホルモン剤の副作用の発現についても引き続き観察を十分に行うこと。

 

●血圧上昇があらわれることがあり、可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症に至ることがあるので、定期的に血圧測定を行い、血圧上昇があらわれた場合には、降圧剤治療を行うなど適切な処置を行うこと。

 

【相互作用】
多くの薬剤との相互作用が報告されていますが、可能性のあるすべての組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用したり、本剤又は併用薬を休薬する場合には注意すること。

 

【併用禁忌】(併用しないこと)

 

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等) 免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。
タクロリムス(外用剤を除く)(プログラフ) サンディミュンの血中濃度が上昇することがある。また、腎障害等の副作用があらわれやすくなるので併用しないこと。
ピタバスタチン(リバロ)ロスバスタチン(クレストール) リバロやクレストールの血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、横紋筋融解症等の重篤な副作用が発現するおそれがある。
ボセンタン(トラクリア) ボセンタンの血中濃度が急激に上昇したとの報告があり、副作用が発現するおそれがある。また、サンディミュンの血中濃度が約50%低下したとの報告がある。
アリスキレン(ラジレス) アリスキレンの血中濃度が上昇するおそれがある。空腹時の併用投与によりアリスキレンのCmaxが約2.5倍、AUCが約5倍に上昇した。
アスナプレビル(スンベプラ) アスナプレビルの治療効果が減少するおそれがある。本剤の有機アニオントランスポーター阻害により、これらの薬剤の肝取込みが抑制されると考えられる。

 

【併用注意】(併用に注意すること)

 

たくさんあります。添付文書を参考にしてください。

 

【重大な副作用】

 

ショック、アナフィラキシー様症状 ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧降下、胸内苦悶、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(頻度不明)
腎障害

腎機能障害はサンディミュンの副作用として高頻度にみられる

 

主な発現機序は用量依存的な腎血管収縮作用によると考えられ、通常、減量又は休薬により回復する。

 

〔BUN上昇、クレアチニン上昇を示し腎血流量減少、糸球体濾過値の低下がみられる。尿細管機能への影響としてカリウム排泄減少による高カリウム血症、尿酸排泄低下による高尿酸血症、マグネシウム再吸収低下による低マグネシウム血症がみられる。〕

 

また、器質的な腎障害(尿細管萎縮、細動脈病変、間質の線維化等)があらわれることがある。

肝障害、肝不全 肝機能障害、黄疸等の肝障害、肝不全があらわれることがあるので、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、LDH、ビリルビンの上昇等の異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 (1%〜5%未満)

可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症等の
中枢神経系障害

可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症等の中枢神経系障害があらわれることがあるので、全身痙攣、意識障害、失見当識、錯乱、運動麻痺、小脳性運動失調、視覚障害、視神経乳頭浮腫、不眠等の症状があらわれた場合には、CT、MRIによる画像診断を行うとともに、サンディミュンを減量又は中止し、血圧のコントロール、抗痙攣薬の投与等適切な処置を行うこと。 (1%未満)
感染症

細菌、真菌あるいはウイルスによる重篤な感染症(肺炎、敗血症、尿路感染症、単純疱疹、帯状疱疹等)を併発することがある。

 

また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。強力な免疫抑制下では急激に重症化することがあるので、本剤を投与する場合は観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。 (1%〜5%未満)

進行性多巣性白質脳症(PML) 進行性多巣性白質脳症 (PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(頻度不明)
BKウイルス腎症 BKウイルス腎症があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。 (頻度不明)
急性膵炎 急性膵炎(初期症状:上腹部の激痛、発熱、血糖上昇、アミラーゼ上昇等)があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。 (1%未満)
血栓性微小血管障害 溶血性尿毒症症候群(HUS:血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする)(1%未満)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少、微小血管性溶血性貧血、腎機能障害、精神神経症状を主徴とする)(頻度不明)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
溶血性貧血、血小板減少 溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。 (1%未満)

悪性リンパ腫、
リンパ増殖性疾患、
悪性腫瘍(特に皮膚)

他の免疫抑制剤と併用する場合に、過度の免疫抑制により発現の可能性が高まることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。 (1%未満)
その他の副作用

以下のような副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

 

過敏症・・・発疹

 

循環器・・・血圧上昇

 

血液・・・貧血、白血球減少

 

消化器・・・悪心・嘔吐、消化管潰瘍、腹痛、胃部不快感、食欲不振、
下痢、腹部膨満感

 

皮膚・・・多毛、脱毛、ざ瘡

 

精神神経系・・・片頭痛、振戦、頭痛、しびれ、めまい、眠気、異常感覚、
末梢神経障害

 

代謝異常・・・糖尿・高血糖、高尿酸血症、高脂血症高カリウム血症、
低マグネシウム血症、体液貯留感覚器

 

視力障害・・・耳鳴、難聴

 

筋骨格系・・・下肢痛、ミオパシー、筋痛、筋脱力、筋痙攣、関節痛

 

その他・・・月経障害、良性頭蓋内圧亢進症、歯肉肥厚、

 

出血傾向(鼻出血、皮下出血、消化管出血、血尿)、熱感、のぼせ、発熱、
けん怠感、浮腫、体重増加、女性化乳房