潰瘍性大腸炎と免疫寛容

免疫寛容治療で熱い視線を集める「アルファ・ギャルセル」

今、免疫寛容治療や最先端医療の分野で、熱い注目を集めている物質があります。

 

「アルファギャルセル」です。

 

「アルファギャルセル」とは、
免疫制御機能をもつ化合物であるα-ガラクトシルセラミドα-Galactosylceramideの通称で、
花粉症や食物アレルギーなどの免疫系の症状を治療する救世主とされる化学物質です。

 

「アルファ・ギャルセル」によって、卵アレルギーや花粉アレルギーを治したり、
肝臓の移植手術後、免疫抑制剤の服用を完全にやめ、拒絶反応を克服した人もいます。

 

「アルファ・ギャルセル」で卵アレルギーを治した方は、
理化学研究所の石井保之博士です。

 

石井博士が、卵アレルギーのマウスにアルファ・ギャルセルと卵を混ぜ合わせたものを投与したところ、アレルギーが治ったのです。

 

投与からわずか14日後には、肺の炎症はほとんど消え、アレルギーが治りました。

 

免疫寛容
写真は、こちらから

 

一体、何が起きたのでしょうか!?

 

アレルギーを引き起こす物質(抗原)と「アルファギャルセル」を混ぜたリンパ球を患者の体内に注入しますと、
体内の免疫細胞に対して、アレルギー物質(卵や花粉)を敵ではないと”教育”することができるのだそうです。

 

アルファ・ギャルセルと卵を混ぜたものは、攻撃を司令している免疫細胞に張り付きます。
そして、「卵は敵ではない」と教え込むのです。

 

 

この体内での教育の結果、免疫細胞による攻撃は止まり、アレルギーが治るのです。

 

卵アレルギーだけではなく、花粉アレルギーに対しても、
花粉に「アルファ・ギャルセル」を混ぜて投与する実験で、
花粉アレルギー症状が消失するという結果が得られています。

 

実験では、アルファ・ギャルセルを投与すると、およそ4週間で症状が緩和しました。
その後、大量の花粉にさらしてもアレルギーは現れません。

 

アメリカでは、アルファ・ギャルセルの人への効果を確かめる研究がすでに始まっています

 

石井さんは5年後(2018年)には日本でも治験を開始し、アレルギー患者への治療に生かしたいと考えているそうです。

理化学研究所 石井保之博士
「アレルギーにしても、現在は対症療法のような薬が多いです。
このアルファ・ギャルセルを使うことで、根本的な治療が達成できて、非常に画期的な新薬になる可能性があります。」

 

 

アルファギャルセルを使って”教育”を受けた免疫細胞が攻撃を止め、アレルギー症状が治まるとは驚きですね。

 

免疫細胞って非常に賢いと感じました。

 

これまでのアレルギー治療は、さまざまな随伴する症状に応じた対症療法が多かったのですが、この免疫寛容を引き出す治療法や新薬の開発により、アレルギーの根治のほか、免疫疾患が多数を占める指定難病の治療も可能になると期待されています。

 

欧米では、ヒトへ適用する研究が始まり、骨髄移植患者の拒絶反応を抑制する効果が報告されています。

 

石井博士は、将来的に、ガンに対する免疫反応を上げたり、
自己免疫疾患に対しては、免疫反応を下げたり、
制御の仕方で、免疫病がコントロールできる可能性があると言われています。
少し抜粋させていただきます。

 

今のように、抗原特異的に抑えるということもできますけれども、
免疫反応を上げるということもできますよね。
より攻撃性を強める、アクセルです。

 

アクセルを踏んでもらいたいのは、がんですよね。
がん細胞に対しては、なるべく強い免疫反応を起こさせたいわけですよね。

 

そういうトライアルも動物実験では行われておりまして、かなり進展しております。

 

今も日々生まれるがん細胞に対しては攻撃はするわけですが、非常に弱い。

 

それを強くするということが非常に大事でございまして。

 

つまりがん細胞が暴走を始めたあとも、そこに特異的な、非常に強い免疫反応を起こさせるということですね。

 

今、難病に指定されております30、40の病気がありますけれども、その8割ぐらいは免疫病なんですね。
自分の体の中で起きたリンパ球の反乱なんです。

 

自分の臓器に対して、反乱を起こしている。
その反乱分子を外へ出して教育し直して、もう一回、寛容を導入してそれを返すということが考えられるわけですね。

 

例えばリウマチなども難病ですが、あれは自分の関節を免疫が攻撃しまうわけですよね。

 

そのリンパ球を外へ出して、「その関節のある成分は味方ですよ」と、もう一回教育し直してそれを返すと。
そうすると、返した細胞が体の中にある反乱軍をしずめてしまうというのが、一つの作戦です。(引用終わり)

 

人工的に免疫をいじるのは良いのか悪いことなのか
分かりませんが・・

 

もしかすると、将来、潰瘍性大腸炎でも、
腸の粘膜を攻撃しているリンパ球を外へ出して、
「あなたが攻撃しているものは、実は味方ですよ」と教育し直してから腸内に戻すと、
身体の中に戻った免疫細胞が、
腸の粘膜を攻撃していたリンパ球をおとなしくさせることができるようになるかもしれませんね。